[一般公開記事]
2019.07.28 up
前回の続きです。
塾生の一人が「一度教え解説した問題であれば、(今のところ)ほぼ吸収できる」タイプということが少しずつ確かめられてきました。そもそも難度の高い問題ばかりがそろう教材を使ったわけでもなく、難度が高い問題が部分的に含まれる教材なので今後はその辺の上手な調整も必要のように思います。
指導開始以来算数を優先的に.. 1週間ほど前に国語をやっと取り入れ始めた形にはなるのだが、既知の通り算数についてはとても高いパフォーマンスを発揮することは確かめられた。そして、最近国語を優先的に解き始めているのだが、教科書非準拠タイプの問題を使いながら「国語の学力(主に読解力)」を探っているわけです。
教科書準拠タイプではないので純粋な読解力をみることができるのだが、昨日までに4テスト8種(1テストに2種含まれる問題を塾で解かせてみました。問題数は1種8~14問)程度の量。一通り最後まで解かせたときは難しかったのか久しぶりの国語となったからか7割程度の正答率しかなかった。ただ、その間違った3割を紐解いていくと「かなり偏った傾向がある」ことがわかる。
既に保護者に報告を済ませているのだが、「学力が不足していることによる誤答」というわけではなく、文末表現のミスや条件付き設問に対する回答条件の不足による減点が大変多かった。更に性格というか天然なのか、まぁおっちょこちょいの間違いもなかなか多かった。
理想を言えば、「初めて解く問題であっても文句のつけようのない回答で正解にたどり着く」ことなのだろうが、現時点ではそこは求めていない。
それこそ塾の立場がなくなってしまうから。w
現在行っているのは、「何を間違えるのか」「何故間違えるのか」の正確な分析を行うこと..
そして、何よりも「対応力」と「柔軟性」という側面の脳力を測ることでもある。
これが本当の目的。
これ以上の詳細を書くことに意味はないので省くが、「誤答の傾向はしっかりとつかむことができた」。そして、次に確かめられたのが「指導後の適応能力」だ。
国語に限らず他の科目もそうですが、「1教えて1学ぶ生徒」もいれば「1教えて1学べない生徒」もいる。また、「1教えて10学び取る生徒」もいる。まぁ、随分不公平なハナシだと感じるのは正直なところだがその辺は今は触れずにおこう..
特にこの生徒は「天然」の部分を除くと極めて間違え方に多くの共通部分があった。
具体的には、(基本中の基本でもある)「句読点の必要不必要」「文末表現の締めくくり方」「文章で答える問題の代名詞・指示語の扱い方」等実際に何十問も解かせたことでわかった「誤答となる傾向」だ。
細かく言うともっとたくさんなのですが、割愛..
たどり着いた結論の一つに、やはり「優秀が故に反復回数が極端に少なくなっているんだろうな」と思う。
だから「条件付き解答」「文末表現」などの訓練が少なくなっているのだろうと尚更感じる。
学校の先生との面談の中で確か「ちょっとしたマチガイが多いので気をつけましょうね!」というような感じの説明を受けたと少し前に保護者より教えていただいたが、その話を聞いたときに「だからか」という思いがよぎった。
(たまたまかもしれないが)学校の指導では「気をつけましょうね!」で済んでいるのだと感じた。故に、本人は「ヘヘヘ、間違えちゃった」程度の印象しか残らないわけで..
結果、同じような間違いを繰り返している。
そもそも優秀な生徒なので、他の生徒と比べて全体的によくできているという事実から問題を繰り返し深く解く必要性を感じることがなかったんだろうなと思う。
そこで塾ではこう対処してみた。
問題を解かせたあと間違えた問題にチェックを入れ今一度解かせてみる。答え合わせ後1問ずつ解説を丁寧に加えてみた。それでどこまで定着できるか..
ハナシは飛びますが、数年前に文部科学省が、漢字表記に関し「今後はハネ・トメ・ハライが正確に書かれていなくともおおよその枠組みが押さえられている回答であれば正解とする」という意向を表明したが、いまのところウチの塾ではソコについても厳密に指導の対象としている。
同時に、「なぜ」「理由を答えなさい」という設問に対しては「から」「ので」「ため」という文末表現で今後は書かれていなくとも特に大きな問題としないというお国の方針に対しても、完答を目的にしているので(今のところ)そこにも深くこだわっているのも事実。
まぁ、そういう細かなところも踏まえ指導に組み込む教え方を採用する中で、脳に少しでも負荷がかかる方法として優先して選択していることからそれが採用されるわけだが。
もし、この他に適度な脳への負荷をかける方法が見つかったら即「よし」にしてしまう程度のこだわりかもしれません..
が、「脳への負荷」は譲れません。
更に話はアッチの方向に飛びますが..
この前の金曜に別の小学生の生徒に英語の通しテストを行ったわけだが、基礎基本が習得できてしまった生徒に如何に脳へ負荷をかけミスを誘うかを考えたとき、やはり出題側にも工夫が必要だと実感した。
[問題]
私は(毎週)土曜日はたいてい家にいる。
この生徒の場合、小5で既に英検3級を取得してしまったので..
I’m usually at home on Saturday(s).
と瞬殺になる。
やはりこの手のレベルの問題を解かせても多分脳に負荷はかかっていないように感じる。
いっそ教材をNew Treasureのようなものに替え、そこを底辺とする指導に切り替えることももちろん可能だが、どうもしっくりこない。
語彙数の対象範囲を広げ、意味を複雑化させるようにしてもたぶんこの生徒には「まだ早い」ように思う。
正直にそう感じる..
そう、その段階に踏み込む前にまだやるべきことは多々あると思う。
先程挙げた問題も、次のようにいじることでこのような生徒でもミスを生じやすくなるわけで..
その駆け引きをいまは楽しんでもらう方がよいのではないかと思ったわけだ。
[問題]
I’m usually at home on Saturdays. の一文を以下の条件を満たすように書き換えなさい。
(使用すべき語):Takashi, every, stay, usually
(注意事項)必要に応じて適語変化を。単語使用不使用は都度判断する
このようにすると、慣れ親しんだ単語しかなく特に難しい単語が使用されているわけでもないが「完答に求められる条件が増える」ことでミスを誘いやすくなる。こういう問題を解かせた方がこの生徒にとっては吸収の質が高いように感じる。
当然、この生徒は..
・人称変化による三単現のsを付けるかどうかの判断
・頻度を表す副詞の置く位置の判断
・everyを使うことで入れてはならない単語の存在
こういう条件を記憶した情報から瞬時に且つ同時に判断し引き出せるかどうかを問う形にした方が合っているように思う。
やっぱりやたら難しいものにするのではなく、慣れ親しんだものを複合化することでミスを誘う系の問題を沢山解かせたいと感じた。
話は戻るが、国語を解かせて3割間違った生徒に1問1問何故違うのか.. どう回答すべきだったのかをもう一度解かせた上ですべての間違えた問題に解説を加えた。
そこではあえて、しつこく繰り返し説明をしないようにし、イチオウ1問1問理解できたか確認をし最後の問題まで指導をした後その日の国語の指導を終えた。
そして、残った時間は算数の次の単元に踏み込むことにした。
国語については「私自身の納得のいくレベルでの解説はし、指導を終えた」わけだが、そのままスムーズな流れで算数に突入。
そして、授業の終わりにその日の宿題を出したわけだが、その日の宿題は4テスト8種の今回解いたものと全く同じ問題を出すことに..
指導中にはそんなことには微塵も触れず..
授業終了の直前にここぞとばかりにそういう宿題を出す..
いささか卑怯な宿題の出し方です。(笑)
何をしたかったのかというと、「授業の中で解説したものをどれだけ頭に記憶することができたのか」を測りたかった。
この宿題を先週水曜に出し、土曜日が提出日..
ワクワクしながら私は提出された国語のプリントを採点する。
結果、全問正解でした。
(;^_^A
(但し、天然由来の誤答が2つありましたので正確には全問正解ではないですが..)
前回間違えた問題を私が解説を加え、その問題がどうかということで見たわけですが前回間違えて指導を受けた問題は全て正解という意味です。
水曜日に解いた問題はすべて私の手元に残しましたし、当然答えも私が持っています。
ズルしようにもズルすらできない環境
(´-ω-`)ごめんね..
しかし、正直凄いな..
と思いました。
これを素でこなすんだ..と。
ただ、徹底的に上を目指し日々猛勉強というタイプではないので、差が付くとしたらその辺からだろうなと思います。大きな手の塾なんかはたぶんその辺は容赦なくグイグイと叩き込むだろうし、それはそれで一つのよさのように思う。なんだかんだ言って他塾はともかくワタシは詰め込み教育は価値あると思っていますし..
まぁ、意識改革ややる気upも私の責任というか担当なので結果二人三脚で頑張るしかないのですが。(笑)
本題に戻りますが、結局この生徒に対しひとつの結論ではありませんが、ひとつの方向性を見出すことができました。それがタイトルでもある「特殊算」か「飛び級」か..の結論です。
一般的な教材だと簡単すぎるだろうという考えから自宅学習用の教材として学年を下げた「受験用教材」をプレゼントしたわけですが、その問題に「流水算」「法人算」や「植木算」等が含まれていたわけです。
どのくらい対応できるのかな.. と楽しみにしていましたが、流石にその生徒でも難しかったようです。
恐らくできないことはないでしょうが、膨大な?時間を確保するところから始めないといけないでしょうしね。とにかく大変だったようです。
この生徒のことを考えると、問題の多くに難度の高い問題が確保され、同時に思考力を育てるものとしてはアリだと思いました。でも、この生徒には違う方向性で行こう!と感じました。
やたら難しくするのではなく、基礎基本を大切にし能力に見合った学年の問題に常々触れさせ、どんどん先に先にと進ませることで「学年を超えて様々な問題に触れつつ考える幅を広げる方法」、いわば視野をより広く持つことを優先した学習がその単元を「深くふかく」「より難しく複雑に」していくよりは「問題を解く楽しみ」や「先に進んでいくおもしろさ」を体感してもらえるのではないかなと思っています。
ただ結果的に学年が上がることで、脳にかかる負荷が増すだけでなく結果的に「深くふかく」「より複雑に」と同じ結果を添えることもできると感じるわけです。
であるならば..
そう、結果的に「飛び級」がこの生徒に相応しいだろう
という判断です。
とは言っても、それがどのタイミングでどの学年にjumpするのかは(頭に描いていますが)現在検討中..
ちゃんと保護者にも了承を得ないといけませんからね。
やはり「勉強は自分のペースで自分にあった適したもので学力を高める」のもひとつの理想かと思います。日々、色々と考えてしまう生徒ですが、こうして指導者として関わらせていただいていることに感謝し、生徒にとってより成長できる環境を用意してあげたいと思っています。
こういうのも、指導者冥利に尽きると言ってもよいのでしょうかね?
嬉しい悩みです。
やたら難しいものに触れさせ続けることもひとつの価値観としても、この生徒にはもっともっと勉強を楽しく感じてほしいという思いも強く..
気持ちと思いを育てれば、あとは自宅で問題集を自らの意思で広げ解いていくと感じています。
それが受験問題集であっても、難度の高い問題であっても同じです。
しかし、その前に「沢山問題を解いてやろう!」「全部の問題をやっつけるゾ!」と思える心をまずは育てるところから始めてみたいと思っています。
この件は、また近いうちに生徒の保護者に相談してみようと思います。
楽しみがまたひとつ増えました。
この塾では、生徒の能力に合わせて、いますべきことを優先し、生徒のペースで学ぶことを特に小学生期に実現したいと思っています。折角勉強するんだから.. 競争競争・偏差値・点数も大切ですが、より高みに引き上げて「楽しみ」を感じてもらうこともよいのではと思っています。
正直、中学に上がれば5教科を塾で教えることが必須となりますし、部活動や体力、眠気との戦いも生じます。故に、小学生の時にしか「脳力をより高める」機会を柔軟に得ることができないようにも感じます。
詰め込んでなんぼ!というものもあるでしょうが、そっちはあっちにお任せしようかなと思います。(笑)
中央塾は、「脳力開発」と「やる気を育てること」が得意の塾として紹介させていただきます!
そして、今回のタイトルに対する結論というかこの生徒に対する回答としては上記のようになるのではないでしょうか。
今のところ、この答えがしっくりとしています。
そうそう、この生徒の国語指導についてですが、「教科書準拠の問題集」と「論理エンジン」の2本をうまく織り交ぜながら活用していくことになりそうです。
論理エンジンの教材も、もう大分手に入りにくくなってきましたし、塾の在庫もOSにもよりますが少なくなってきました。
もしかしたらヤフオクやメルカリなどで探せば使い古しや新中古的なものなら手に入るのかな?
今度調べてみようと思います。
欲を言えば、算数(数学)と国語の他に中学英語を1からじっくりと教えていきたいのですが週回数か1回の指導時間を調整しないといけません。その辺は焦らずじっくりと考え生徒の保護者と決めていきたいと考えています。
今回の記事はこの辺でオシマイです。
短編小説的な長~いブログにお付き合い下さり有難うございます!
また近々upしますので是非お立ち寄りください。
では!
投稿の内容は、新聞・雑誌・テレビ・インターネット他の情報を参考に書き上げています。年月の経過とともに、過去に掲載された内容が現在と異なる場合も有ることをご承知おきください。
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